建築家インタビュー

秋山 東一氏

施工写真
木製サッシイメージ
日本の木製サッシの歴史はそう古いことではない。

古来、住宅では木製建具が当たり前のことであったが、それは障子だけであった。木造軸組構法による柱と柱の間に障子を入れてというのが前提の世界では、大工職と建具職の狭間で、窓枠と一体となったサッシという形にはなりようがない。枠と一体になって初めて建築部品となり、その性能を云々されることになるのだ。

そんな状態に登場したのが、アルミサッシであった。その利便性によっていつのまにかアルミサッシによって木製建具は駆逐されてしまった。

そんなアルミサッシが全盛である世界に、果敢に木製サッシで挑戦してきたのがアイランドプロファイルだ。室内の温熱環境のレベルアップには開口部の断熱性能、気密性能の強化は必須のこと、そのような時代に答えうるものとして登場してきたのだ。

木製サッシを一般的な建築部品として認知させるのは並大抵の努力ではなかったであろう。その最大の鍵は木製サッシの「標準化」というところにあったのだ。限定された寸法によって作り出された標準型木製サッシこそが普及の鍵であったのだ。その困難な道もすべからくアイランドプロファイルが開拓してきた道であった。

私は「窓が八割」なる過激な文言をいつも唱えている。住宅のハードとしての価値、その80%は窓、すなわち開口部にあり・・・という主張だ。
私は設計する住宅の開口部はアイランドプロファイルの木製サッシを標準としているが、完成し住まわれ、成熟していく住宅の姿を見る毎に、その意を強く感じるのである。
秋山 東一
秋山 東一(あきやま とういち)
1942年東京都に生まれる。68年東京藝術大学美術学部建築科卒業、東孝光建築研究所に入所。72年独立し、住宅を中心に設計活動を展開する。94年OMソーラー協会のシステム住宅フォクルスハウスを考案する。その後、Be-h@us を提案、NPO法人BE-WORKSを主宰、現在に至る。